競プロ解法メモ

自分用のメモが主目的なので厳密性は求めないでください

ABC226 H - Random Kth Max

問題:H - Random Kth Max

 

 解説動画で分からなかったところを、あとから理解したのでメモ。

 

① 「k番目の値がx以上」⇔「x以上の値がk個以上」

 これはあとから考えてみれば当たり前だった。

 ある数列を大きい順に並べる。このとき、k番目の数をx以上にしたい。

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それには、x以上の数をk個以上作れば良い。

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ということだった。

 

② 「確率変数がx以上になる確率を求める関数f(x)」を積分すると期待値が求まる

 f(x)を「結果がx以上になる確率」としたときに、期待値はf(x)積分することによって求まる。図で表すと以下の通り。

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このことを離散値の場合を例にとって、直感的に理解したい。

 以下のような、確率が均一でないサイコロがあるとする。

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これに「x以上が出る確率f(x)」の欄を加えると次のようになる。

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f(x)は上段を右から累積和にしたものになる。そして、このf(x)を図で表すと以下のようになる(縦軸の1目盛りは\dfrac{1}{11})。

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このとき、例えばx=4(左から4番目の棒)について考えてみる。棒の高さが表しているのは「4以上になる確率」だ。では

「4になる確率」は?

というと、「(4以上になる確率)-(5以上になる確率)」なので、この部分になる。

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ところで、

期待値は「A ✕ (Aになる確率)」の和

で求められる。図の中で「4 ✕ (4になる確率)」が表すものは、以下の部分の面積になる。

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これを残りの目についても考えると

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このようになる。よって「A ✕ (Aになる確率)」の和、つまり

期待値はグラフの面積になる!

ここから、積分の解説でお馴染みのように棒の幅を限りなく細くしていけば、f(x)が連続な関数の場合に置き換えることができる。ちなみにf(x)のことを累積分布関数というらしい。